図解:KOTONOHA編集部。数字は確認の順番で、喪に服す日数や全国共通の規則を表すものではありません。
身近な人を見送ったあと、年の暮れが近づくと「初詣は?」「飾りや食事はどうする?」と、一つずつ迷うことがあります。
先にお伝えしたいのは、喪中のお正月を、すべての家庭に共通する禁止事項だけで決めることはできないということです。忌中か忌明け後か、神社やお寺の考え方、地域の習慣、家族の希望を分けて確かめると、準備することが見えてきます。
まず、この3つを確認
- 期間:自分たちの忌明けの扱いは確認できているか。
- 確認先:参拝・神棚・挨拶など、迷っていることは何か。
- 家族の希望:今年は控えたいこと、普段どおりにしたいことは何か。
この記事では公式案内の違いを示し、最後に家族や寺社へ聞くためのメモを用意しました。
忌中と喪中は、同じ期間のこと?
二つを同じ意味で使ってしまうと、「喪中だから一年間、神社へ行けない」といった受け止め方になりがちです。
神社本庁の「服忌について」では、故人のおまつりに専念する「忌」と、哀悼の気持ちを表す「服」を分けています。地域に慣例がない場合の一般的な目安として、忌は五十日祭まで、服は一年祭までと説明しています。
ただし、これは神社本庁が示す神道の説明です。続柄や地域の慣例もあり、全員に同じ日数を当てはめる計算表ではありません。福岡県神社庁のFAQも、故人との関係によって日数が短くなる場合があると案内しています。
「四十九日」「五十日」の数字だけで決めない
仏教の説明にも宗派による違いがあります。真宗大谷派の信興寺の公式解説は、浄土真宗には忌中の概念がないことを説明し、新年のお寺での法要への参拝を案内しています。この説明を仏教全体へ広げず、菩提寺やお付き合いのあるお寺へ確かめましょう。
宗教的な区切りと、気持ちが落ち着く時期は同じとは限りません。日数が過ぎたからと、急いでいつもの予定へ戻す必要はありません。ここからの手順は、家族で無理なく相談するための編集部の提案です。
初詣や新しいお札は、いつ相談すればよい?
まず、行きたい場所が神社なのか、お寺なのかを分けます。神社について、神社本庁は忌の期間中の参拝や神棚のおまつりを控え、忌明け後は原則として再開して差し支えないと説明しています。年末年始が忌の期間に重なる場合、新しいお札を受けるのは忌明け後という案内です。
一方、福岡県神社庁は、忌明け後の参拝再開を説明したうえで、喪中のお正月の参拝については本人の気持ちにも触れています。「再開できる」という案内を、「元日に必ず行く」という予定へ置き換えなくてよさそうです。

01 寺社へ、知りたいことを一つに絞る
「喪中です。何もできませんか?」よりも、「年始にお札を受けたいのですが、いつ相談すればよいですか」と、行動を伝えると確認しやすくなります。
02 聞いた案内の適用範囲を残す
その神社での参拝について聞いたのか、神棚や正月飾りまで含むのかをメモします。別の寺社・別の宗派へ、そのまま当てはめないようにしましょう。
正月飾りと食事は、まとめて考えてよい?
同じ「お正月の準備」でも、門口の飾り、神棚のおまつり、家族の食卓では意味合いが違います。実際に公式案内を読み比べても、扱いが一つにはそろっていません。
| 公式案内 | 説明されている範囲 |
|---|---|
| 神社本庁 | 忌明け後の神社参拝・家庭のおまつりの再開を案内。 |
| 北海道神社庁 | 新しいお札と、門口の正月飾りを区別。喪中の門口の飾りは遠慮する案内。 |
| 兵庫県神社庁 | 家の主人や喪家が忌明けをしている場合、正月を迎えることやお札・年賀状に支障はないという説明。 |
出典:神社本庁、北海道神社庁Q12、兵庫県神社庁「先祖のおまつり」。それぞれの案内の要約で、全国共通の許可・禁止表ではありません。
この違いがあるため、「喪中でも飾れる」「全部飾ってはいけない」のどちらか一言で片付けず、今年の家の方針を確認するのがおすすめです。しめ飾りなどを買う前に相談すれば、用意してから迷うことも減らせます。
おせちについては、産泰神社の解説が、祝い膳を遠慮する通例と、普段の器で通常の食事としていただく工夫を紹介しています。同時に、家庭による考え方の違いと家族の意向を尊重することも示しています。
食べ物の一品ごとに「禁止」と決めるより、「今年は祝う形を控える?」「食事は誰が何を用意する?」と分けて話してみてください。無理なく食事を整えることと、祝いの形式を選ぶことを別々に考えるための提案です。
年始の挨拶は、どんな言葉にすればよい?
祝いの言葉を控える方針なら、日頃のお礼と今後のお付き合いを伝える文面にする方法があります。次は編集部の作例です。宗教上の定型文や、すべての場面に必須の挨拶ではありません。

会ったときや、短いメッセージの作例
昨年はお世話になりました。
今年もどうぞよろしくお願いいたします。
事情をどこまで知らせるかは、相手との関係や本人の希望に合わせてください。
年賀欠礼状を出すなら、送り先と文面を今から整理しておくと準備しやすくなります。産泰神社の喪中はがきの案内は、相手が年賀状を準備する前の11月〜12月上旬を目安にしています。また、年賀状を受け取ることまで拒むお知らせではないと説明しています。
年末に事情が変わったときや、返信の時期に迷うときには、寒中見舞いという方法もあります。松の内などの地域差があるため、このページでは全国一律の投函日を決めず、公式の時期の説明と相手の地域を確認する入口を残しておきます。
年賀はがきを用意したあとに服喪となった場合は?
日本郵便のFAQには、近親者の不幸による服喪で使えなくなったお年玉付郵便はがきなどを、通常切手類へ無料交換できる案内があります。対象品・販売期間内という期限・窓口・記入事項などの条件があります。印刷代込みの商品は印刷代を除く料額分での交換となるため、購入済みのものを持参する前に公式案内を確認してください。
家族と何を話せば、準備を決めやすい?
全部を一度に決めなくても、「分かっていること」「聞きたいこと」「今年は見送ること」に分けてみましょう。下の写真はお茶の参考写真です。お茶の種類や器に、喪中の作法が決まっていることを示すものではありません。

そのまま使える、今年の準備メモ
- 迷っていること:初詣/お札/玄関の飾り/食事/挨拶。
- 確認できたこと:誰に、いつ、どの範囲の案内を聞いたか。
- 家族の希望:控えたいこと、普段どおりにしたいこと。
- 今年の選択:する/見送る/まだ決めない。
- 次の一手:誰が、どこへ、何を聞くか。
家族で考え方が違ったら、どちらに合わせればいい?
編集部
一つの慣習だけで正誤を決めるより、「家の外へ示す飾り」「食卓」「個人の参拝」を分けて相談しては。決めきれない項目は保留し、必要なら寺社へ確認する方法があります。
準備中に迷いやすい、二つの疑問
忌明けの日を、このページで計算できる?
できません。宗教・宗派・続柄・地域や家の慣例によって扱いが異なるため、数字だけの自動判定は用意していません。すでに法要や祭事の日程があっても、それと参拝再開の扱いが同じか不明なら、相談先へ確認してください。
いつもの正月飾りを出さないと、縁起が悪い?
飾らないと災いが起きる、という事実を示すものではありません。公式案内にも控える考え方があり、家族が静かに過ごす選択をしたなら、無理に縁起物を買い足す必要はありません。
今年の迎え方を、一つずつ決める
最初に忌中と喪中を分け、次に参拝・飾り・食事・挨拶のどれを決めたいかを整理します。寺社の案内は適用範囲を確かめ、家族の希望と合わせて準備メモへ。まだ決めない、という欄があっても大丈夫です。
出典・写真と制作について
- 神社本庁「服忌について」:忌と服、期間の一般的目安、参拝・神棚・お札。
- 福岡県神社庁FAQ:続柄・忌明け後の参拝。
- 北海道神社庁Q12:お札と門口の飾りの区別。
- 兵庫県神社庁「先祖のおまつり」:忌明け後の正月の案内。
- 真宗大谷派 信興寺:浄土真宗の説明。本稿では他宗派全体へ一般化しません。
- 産泰神社:本文中にリンクしたお正月・年賀欠礼状・寒中見舞いの各解説。
- 日本郵便FAQ:服喪による年賀はがき等の交換条件。
- 図解・挿絵・相談メモ・挨拶作例は編集部の独自制作。写真の出典と変更は写真下へ記載。個人の体験談は使用していません。
情報確認:2026年10月22日。現行の公式案内を各主張の範囲で要約。各家庭の信仰や気持ちを一律に判断するものではありません。商品の購入・祈祷の申込みを勧める記事ではありません。

